22.周期療法 of 田辺薬局の Life with 漢方

22.周期療法

女性の体は、月経周期によって大きく変化するから

その時その時の体の様子に合わせて漢方薬を使い分ける「周期療法」

bind_free014.jpg 約30年前から中国で行われ始めた不妊の治療法、月経周期療法をご存知ですか?

 女性の月経は、基礎体温を測ってみるとよくわかりますが、4つの期に分けることが出来ます。

不要になった子宮内膜を洗い流す『月経期』

卵子を成熟させ、着床しやすいよう厚い内膜を育てる『低温期(卵胞期)』

卵巣から卵子を放出する『排卵期』

子宮内膜の分泌を促進させて受精しやすくし、さらに着床した受精卵に充分な栄養を送り込む『高温期(黄体期)』

 月経の周期がきちんと28日前後で整っている場合、1ヶ月間同じ漢方薬を飲み続けるのではなく、この4つの期に分けてそれぞれの働きをより高める漢方薬を使い分けるのが月経周期療法です。

 月経の周期が整っていない方は、まず整えることから始めていただいており、月経周期療法は不妊治療の初期よりも、月経周期の整った治療の後期に適しています。

基礎体温.pdf

 特に体外受精や人工授精などの高度不妊治療を受けていらっしゃる方は、排卵促進剤やホルモン注射で排卵をコントロールする一方、内膜が薄くなったり、体温が全体に高くなったりすることがあります。

 しかし、低温期にしっかり内膜を育てる補血薬を使ったり、月経期に余分な熱も体外に排泄する活血薬を使うなど、その期に必要な漢方薬を使うことで副作用を防ぐことができます。

 まず一番は基本の身体作り。

 冷え、低体温、低血圧、貧血をお持ちの方は、しっかり土台を作った上で症状に合わせた周期療法をお勧めします。