環境や体調によって時々頭痛がするという方も合わせると日本人の3人に1人が頭痛持ちと言われています

長い間痛みに悩まされ、頭痛だけでなく吐き気やめまい、耳鳴りなど他の不快な症状も併発する慢性頭痛の方も大勢いらっしゃいます。
 
慢性頭痛の種類は大きく分けて3種類。
 
片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛です。
 
片頭痛:1~数ヶ月に12回、拍動性(ズキンズキン、ガンガン)の強い頭痛が特徴です。
一旦頭痛が始まると、光や音がわずらわしく、頭を動かすたびにガンガン響くので静かなところでじっと寝ているしかない状態になることもあります。
また前兆といって、 頭痛がおこる20分程前から、目の前に光るぎざぎざが現れだんだんと広 がったり、人物が異常に大きく見えたりゆがんだり、 風景が流れたりする見え方の異常を感じる場合もあります。
 
緊張性頭痛:痛みの程度はそれ程ひどくなく、何となく重苦しいという状態から、頭全体が締め付けられる、 後頭部にびりっと痛みが走る状態まで様々な程度があります。
多くは肩こりが見られ、精神的ストレスの現れとも考えられます。
ものすごい肩こりにもかかわらず、肩こりを自覚できない人もいます。
 
 群発頭痛:季節の変わり目に年12回、 12ヶ月の間毎日、きまって片方の眼の奥がえぐられるような、絞り切られるような、と表現される激痛が数時間起こるのが 特徴です。
大体は寝入って12時間してひどい痛みで眼がさめるという状態で、片頭痛とは違いじっとしていられず、 頭を壁にガンガン打ち付ける人もいるくらいで、頭痛と同時に眼が充血し涙が出たり、鼻がつまって鼻水がでたりという 随伴症状もあることも。
 
中国医学では気(エネルギー)・血(血液)の巡りが悪くなると痛みが出ると考えます。
 
寒さや湿気などの気候、甘い物や冷たい物の食べ過ぎなどの食生活、ストレスなどの生活習慣によって気血の流れが滞ったために起こる痛みは「不通則痛(通らないと痛む)」で、比較的強い痛みが出ます。
 
虚弱体質や老化、慢性病で貧血やエネルギー不足など栄養が行き渡らず、気血が不足して起こる痛みは「不栄則痛(栄養が足りないと痛む)」で、鈍い痛みが出ます。
 
なるべく鎮痛剤などの強い薬を使わなくても良いように、元々の体質や痛みの程度などに合わせて漢方薬を痛みが出る前から使っていただきたいです。
  

 
肝火タイプ:ストレス過多、熱タイプ
頭が張ってズキズキする痛みが出る。
目の充血、顔のほてり、イライラ、不眠、高血圧などの症状を伴う。
 
  加味逍遥散(かみしょうようさん)
  竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
  能活精(のうかっせい)など
 
痰飲タイプ:水分過剰、胃腸虚弱タイプ
頭に重い痛みが出る。
肩こり、倦怠感、胃もたれ、むくみ、肥満などの症状を伴う。
 
  半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
  勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)など 
 
お血タイプ:血液ドロドロタイプ
痛む位置が決まっていて刺すような痛みが出る。長時間に渡って痛みが出る。
肩こり、生活習慣病、目の下にクマ、手足のしびれ・痛み、生理痛などの症状を伴う。
 
  血府逐お丸(けっぷちくおがん)
  冠元顆粒(かんげんかりゅう)
  精命源(せいめいげん)など
  
気血両虚タイプ:エネルギー不足、貧血タイプ
体力が低下している時、疲れた時、生理後などに痛みが出る。
ふらつき、だるさ、顔色が白い、肌がカサカサする、動悸、息切れなどの症状を伴う。
 
  十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
  婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
  複方霊黄参丸(ふくほうれいおうさんがん)など
 
陰虚タイプ:潤い不足、ほてりタイプ
普通の痛み、あるいは張るような痛みが出る。
めまい、耳鳴り、立ちくらみ、手足のほてり、のどの渇きなどの症状を伴う。
 
  活命散(かつめいさん)
  杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
  瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)など
 
腎精不足タイプ:精力不足、冷えタイプ
普通の痛み、あるいは張るような痛みが出る。
足腰のだるさ、めまい、耳鳴り、立ちくらみ、精力減退、冷えなどの症状を伴う。
 
  霊鹿参(れいろくさん)
  海馬補腎丸(かいまほじんがん)など
 
 
長年の頭痛で薬を服用し続け、変容化すると脳神経がずっと過緊張した状態になり、音や光、気圧差などの外敵刺激に過敏になって頭痛がひどくなる「脳過敏症候群」になっている方も。
 
こじらせる前にご相談下さい。