⑰タイミング療法の弊害

「今日」というプレッシャーがストレスに

ストレスはホルモン分泌にも影響します

 病院での検査で異常が特にみられない場合、まずはタイミング療法を勧められます。
 卵子は2~3日、精子は1日しか生存しないため、しっかり基礎体温を測って排卵日の前後に性交渉をしてくださいと指導されるでしょう。
 しかしこれは、男女ともにものすごいストレスです。
 奥様に「今日」と言われ家に帰りたくなくなってしまうという方もいらっしゃいました。
 30代、40代夫婦の性欲減退が取り沙汰されている今、余分なプレッシャーは精神だけでなく、身体的な影響を及ぼし、EDを引き起こす原因にもなります。
 お世話になった中国の老中医は、こんな提案をしたことがあります。
 相談に来られたご夫婦は人工授精や体外もしたが妊娠せず、今はタイミングを計っているだけだが、仕事が忙しいため月に1回、義務のようにこなしているだけ。
 そこで、ビデオや映画を直前に見て、気持ちが高ぶってきたらゆっくり楽しむ気持ちでして下さい、とアドバイスしました。
 人間は繊細な生き物です。
 疲れや落ち込み、プレッシャーなどのストレスによってホルモン分泌
量が全然変わってきます。
 ですから、今日この日、と気張らず、むしろ楽しむぐらいの心持で行った方がより良い結果が得られるはずです。
 ちなみにこのご夫婦は5ヵ月後、妊娠がわかり女の子を無事出産されました。
 身近なご家族、友人にこそ相談しづらく、一人で悩まれる方が多いのですが、ぜひご夫婦でご相談にいらしてください。